哀しみからの
旅立ち
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新たな一歩はどれほど小さくてもかまいません。その一歩は、のちにとても大きな一歩になるはずです。



 赤ちゃんは天国より召され、そして再び天国へと旅立ちました。
 天国とは、永遠の時間と、無限に広がる美しい世界です。

 赤ちゃんは、実はあなたのお腹に宿っても生まれることができないとわかっていました。偶然、あなたのお腹に宿ったのではないのです。ちゃんと自分の運命をしったうえで、それでも自らあなたを選んだのです。


 きっと、あなたはこう思い、嘆き哀しまれるかもしれません。

「どうして私のところに宿ったの?他のお母さんのところなら祝福されたのに…」
「ごめんね、ごめんね、お母さん、あなたを育てられなかったね…」
「どうしていなくなっちゃったの?あれほど楽しみにしていたのに…」

 では、どうしてあなたをお母さんとして選んだのでしょう・・・。
 それにはちゃんとした意味がございます。決してお母さんを苦しませようとか哀しませようとかしたのではありません。あなたはちゃんと赤ちゃんのことを受け止めることのできる人間だとわかったからです。

 赤ちゃんは、まずどのお母さんのお腹に宿るかを考えます。
 1つめは、自分が心から愛することのできるお母さん。
 2つめは、自分のことを心から愛してくれることのできるお母さん。
 3つめは、自分とともに成長できる力をそなえているお母さん。

 この3つの条件を満たしていたのがあなたです。つまり、あなたは赤ちゃんに愛されて選ばれた人間です。時には涙されるときもあるかもしれないけれど、あなたは赤ちゃんを心から愛し、赤ちゃんとともに成長できる力をそなえている素敵なお母さんです。

 赤ちゃんにとって、短い生涯というのは哀しいことでしょうか?
 赤ちゃんの魂は天国より出でて、そして元の天国へと戻られるのです。もとより天国にちかい清らかな魂ですから、すぐに天国の生活になじむことができるでしょう。たしかにこの世では数週間の短い生涯かもしれませんが、天国という永遠の時間の中では、数週間も数十年もまったくといっていいほど変わりはありません。赤ちゃんはちゃんと自分の役割を立派に果たされて天国へともどられたのです。あなたが自分のことを心から愛してくれる人間とわかっている限り、哀しみはございません。

 赤ちゃんの役割・・・?そういえば、赤ちゃんが病気を教えてくれたってことをよく耳にしますね。必ずといっていいほど、あなたはいままで考えることのなかったことを、たくさん考えることでしょう。赤ちゃんは、あなたの目には見えないところ、あなたが普段気がつかないところにも多くのメッセージを残し、立派なお母さんとしての成長への種をまいていったのです。

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